空から降るボールをこの手の中に

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ボールをグローブで受け取る女性
 日没の近づいた夕日が当たる砂浜で、キャッチボールを楽しむ二人がいた。デートなのだろうか、男女二人連れであった。お互いにボールを投げて、受ける。しばらくボールを交換した後、難しい球で試そうとしたのか、彼が高いボールを投げた。彼女は夕日に向かってボールを追いかける。夕日とボールが重なって、まぶしそうだった。
 砂浜を蹴って飛び上がり、手を大きく伸ばした先のグローブの中に、ボールがゆっくりと吸い込まれていった。
 ナイスキャッチ!
 広い公園や海岸で、親子や、友人、恋人でキャッチボールする姿をよく見ることがある。ボールとグローブがあれば、二人からできるから、手軽にできることも影響しているだろう。単純にボールを投げて、それを受け取るだけなのにキャッチボールはなぜに楽しいのだろうか。
 相手が投げたボールを落とさないようにキャッチして、方向と力加減を調整して投げ返す。それを繰り返すだけなのに、すぐに飽きるということはない。
 ボールを交換しているだけではないのだ。うまくボールを受け取って、投げることで絆のようなものを感じさせるのかもしれない。
 映画のキャッチボールのシーンも、親子や友人同士で描かれる事が多い。あれは、心の動きを表現しているのだ。
 投げ合っているのはただのボールではない。信頼とか、そういったものを象徴しているのだろう。ボールを受け取ることができると信頼されているから、託されるのだ。
 サッカーでも、自分だけパスをもらえなかったら、悲しいだろう?
 そう考えると、二人の間でボールを受け止めあえるっていうのは、ひとつの幸せなのかも知れない。自分の方に投げられたボールを受け損なったりしたら、落としてはいけないものを落とした感じがするし、受け取れないようなボールを相手に投げてしまったら、ミスした気分になるだろう。
 これは至福の景色なのだ。難しいボールをキャッチする事で感じられる達成感、信頼にこたえることができたといった満足感などが姿となって表れてきているのかも知れない。
 夕日に照らされて大きく躍動する姿が美しい。