髪は女性の飾りたてる

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歩きながら髪の先を見る女性

 少し離れたところにある信号が青に変わったようだった。
 潮が引くように減っていた人の流れに新たな波が押し寄せて、ふたたび目の前をたくさんの人が通り過ぎて行くようになった。いろんな人が通っていく。先を急ぐ人も、ゆっくり歩いていく人も。多種多様な人がいて、様々な生き方、生活があるという百科事典のようでもあった。
 その事典のページの1枚に、髪の毛を指先につまんで気にしながら歩いて行くの女の子がいた。
 彼女は何を見つめていたのだろうか。髪の傷み具合を確かめたのか、それとも、染めた色が思い通りにならなかったのか。
 髪の毛も服と同じように、飾って綺麗にするものだね。販売されている女性向けのヘアケア商品の点数が、それを物語っている。
 だから、こうして髪を手に取って見つめることは当たり前の、自分を魅力的に見せようとしている女の子らしい仕草だと思うのだ。
 女性が髪に触れる姿は、男性には表現しえない魅力があるように思う。
 長めにカットされた髪の毛を手で払えば、光が当たって光沢ができることで、宙を舞って流れていく水流のような美しい造形になるだろう。
 風の強く吹いた時の髪が四方に散って乱れないように押さえれば、機織りのような整然とした糸の列のような、幾何学的な美しさも作り出すのだ。
 こういった光景を見ることは、極めて稀である。だから、彼女が髪を指に挟みながら歩いて行く姿は、忘れ得ない記憶なのかもしれない。
 女の人が髪に手を当てる印象的な姿に出会ったら、これからも描くだろう。

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