波打ち際で

画像をクリックすると全身像を表示するページにジャンプします

足首辺りまで海に入って振り返る女の子
 夏になって気温が上がると、人は寒かった頃を懐かしんで、冷たいものを追い求める。多くの人が川や海へやって来て、水に触れることで、夏の到来を感じるのだ。
 多くの人がやって来て賑やかになった海岸で、裾をまくって裸足になった女の子たちが海辺に近づいてきた。濡れた砂地の上に立って、波の動きを見入っている。大きな波が来た時には、逃げながら歓声をあげていた。やがて、海へと入る決心がついたようだった。最初は慎重に、足首のあたりまで浸かる深さで立ち止まり、歓声をあげた。
 足から伝わってくる海はどのように感じられただろうか。
 彼女たちはさらに1歩づつ進んでいった。
 時折打ち寄せる波が体を揺さぶる。
 引いていく波が足を取ろうとする。
 足から伝わる砂の触感が、海を直に感じさせているだろう。
 これは、夏の感覚なのだ。
 一人の女の子が1歩前へ出ると、後ろの友達の方を見るために体を回して振り返った。彼女はさらに1歩、沖へと歩いた。振り返った顔には、笑顔が浮かんでいる。
 もっと先にまで行けるよ、と表情は語っていた。
 彼女はさらに数歩進んだところで足を取られそうになって、海から上がっていった。
 水に熱を奪われて冷えてしまった足を、焼けた砂が再び温めていく。
 夏になったのだ。