待ち人はいつも退屈

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壁にもたれかかって人を待つ女の子
 駅に隣接するビルの柱の脇に、女の子が立っていた。
 夏の日の昼を過ぎた頃で、日差しは強く、地面から跳ね返ってきた光にもまだ熱が残っている。ビルのひさしが彼女を強烈な光から守っていた。彼女は誰かを待っている様子で、何度も顔を左右に振って流れている人の中に来たるべき人がいるか探していた。少し長い間待っていたようで、彼女は軽く片足を上げると柱に寄りかかっている。柱に足を当てている姿が、退屈さというものが形となって現れているように見えた。
 こんな時、人を待っている気持ちとはどんなものなのだろうか。
 本当に来るのだろうか、どこかでトラブルに巻き込まれたりしたのだろうか、と想像は悪い方へと広がっていくものである。そういった不安のようなものが彼女の表情に現れているような気がするのです。
 人を待たせている時、相手がどんな顔ををして待っているかを見ることは出来ない。彼女を見ていると、待ち人はこんな表情を浮かべているものなのだと気付かされる。今までの経験を振り返ってみると、待たせていた人の所についた時、笑顔の人が多かった。それは、いない人を心配するという不安から解放されたからなのかもしれない。
 いつの間にか彼女の姿はなくなっていた。
 きっと彼女の顔からも、不安と退屈が入り混じった表情は消え去ったことだろう。