楽しい時を共に

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座って遠くを眺める女の子 夏のピークは過ぎたものの、まだ暑さが残る頃、あたりが見渡せる高台に作られた公園の階段に座って遠くを眺めている女の子がいた。肘を足の載せ、顔はその手の上につけている。両方の足首を内側に曲げた仕草が、とてもリラックスした雰囲気を感じさせた。
 彼女は数人のグループでやって来て、みんなと並んで座っていた。
 女の子たちが見ているものはなんだろう?
 遠くを走る車。
 線になって走っていく列車。
 雲の流れ。
 小さい点のような人の姿。
 友達と話しながら遠くを見つめ、時折腕を上げて指を差したりもしていた。目に見える一つ一つの物はどこにでもあるもので、女の子たちの興味を引くようには思えない。でも、皆は飽きてしまったり興味が無いような様子は全く見せなかった。同じ場所で同じ時に一つの景色を見て話をするということで十分なのかもしれない。些細なことでも言葉をかわすことで、コミュニケーションとして伝わっていく。自分と皆の距離がとても近いことを確かめているのだろう。

 彼女たちはしばらくそこに座って景色を見ながら話していたが、やがて皆立ち上がって、その場所を後にした。
 同じ眺めを共有するという時は終わった。でも、コミュニケーションを通してお互いに抱いた親近感はまだ、皆の中に共有されているに違いない。