綺麗な歩き方のひと

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手足を伸ばして綺麗な姿勢で歩く浴衣の女性 夏の間には突然、浴衣姿に人が大量に出現する日がある。そんな日は、近くで大きなイベントが起こる日である。花火、祭り、盆踊り。絶え間なく浴衣着の人たちが歩いてくる。
 着物を特集した雑誌の1ページから出てきたような、綺麗な歩き方の人が通り過ぎていった。片手で鞄をさげながら、反対の手を伸ばして大きく前後に振りながら歩いていた。
 改めて、和装の持つ魅力が垣間見えた気がする。
 体を包むように大きく作ってあるので、動きを大きく見せ、着物が流麗な曲線を描くように作られているのだ。だから、手を振って歩く様子や、足の動きだけでも、優雅な動きに見えてくるのだ。
 大きな布地が作るしわも美しいさまを持っている。大きな袖や裾がたくさんのしわを作り出して影を作る。その陰影がさざなみのように見えて美しい。その波は波紋が広がる水面のように、動くたびに形を変えて浴衣の上に現れては消えていく。だから、和装で綺麗な動作で歩いて行く姿は、とても魅力的に見えたのです。
 彼女は大きく手を振って、歩いて行く。手の動きで袖がひらひらと舞い、交互に動く足が裾を波立たせている。頭を少し傾けて、歩いて行く先を見ながら、優雅な雰囲気を残して去って行った。