大きな街のアーケードは、休日になるとたくさんの人が歩く。そこを通る人たちは自然に通りの真ん中を境にして、向きの違う流れを作って歩いていた。その通りを歩いていると、前から友達同士で歩く女の子たちが見えてきた。彼女たちは横一列になって話している。
何かに驚いたのか、それとも言いたいことがあったのか、突然一番端の女の子が会話に反応して横へと向いた。上半身をわずかに前へと傾けて、頭を素早く隣の友達へと向ける。彼女の動きがとても素早かったから、彼女の長いポニーテールが後ろに引かれて、水平近くまで高く上がっていた。
ポニーテールは緩やかに波打っている。長い髪の毛がたなびくように体を動かす様子が、とても可愛らしく見えた。
女性の髪が大きく広がったり、長く伸びる姿は目を引く魅力がある。照らされた髪が形を変えて動く様子は、顔から光が広がって行くように感じさせるからかもしれない。
彼女の無意識に動かした体の動きが、偶然に髪が長く伸びる姿を作り出していたのだ。
一瞬だけ空に舞った髪はすぐに下へと向かって落ちて行った、。
彼女は友達のほうへ笑顔を向けたまま、通り過ぎて行く。ポニーテールは頭の後ろから肩の上へと流れるように垂れ下がっていた。