友達に向かって

画像をクリックすると全身像を表示するページにジャンプします

友達に向かって手を振る女の子  晴れた休日の午後、喉が渇いたりお腹が空いたと感じる頃、多くの人が飲食店へと吸い込まれていく。
 広場を臨むところにあるファーストフード店も、行列ができていた。行列から一人が店に入って行く度に、一人が店から出て行くことを繰り返していた。
 その店から、女の子がドリンクを買って出てくるところだった。こぼれないようにカップを真っ直ぐに保ったまま、大きな扉をくぐり抜けていた。
 店の前には緩やかな階段があったのだが、なぜか彼女は足元も見ずに降りて行った。彼女の顔は店の前にある広場に向けられていた。
 突然、表情がぱっと明るくなって片手を上げた。それに応じるように、広場にいた女の子も手を上げた。先に買い物を済ませて待っていた友達を見つけたようだった。
 待っていてくれた友達を無事に見つけた喜びや、これから友達同士で楽しい時間を過ごすという予感が嬉しさとなって彼女の表情の中に詰まっているような気がした。それらはティーンエイジャーの頃にはとても大切なものに違いない。転ぶかも知れないのに、足元も見ずに友達を探していたことからもよく分かる。
 彼女は手を下ろすと、きちんと足元を見て一段づつ慎重に階段を降りて行く。最後の段は踏まずに、駆け足で友達の所へ向かっていった。