空中を歩くように

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オブジェの上に足を曲げて座る女性 その日、港の見える公園が人で賑わっていた。
 港は人口の多いところに作られているから、休日になると遊覧の船が数多く出て、イベントも開かれたりする。そのため、沢山の人がやって来るのだ。彼らはイベントを楽しみ、写真を撮ったりして、港での1日を楽しんでいた。
 公園の一角に作られたオブジェで、写真を撮ろうとしている女の子がいた。手をついて座り、並んで立てられている隣のオブジェに脚を渡して、カメラの方をを見つめていた。
 曲げられた脚が山のように見えた。反対の脚はオブジェに引っ掛けるように当てられ、下向きに真っ直ぐ伸びている。
 彼女の脚の姿は、歩くときの動きに似ていた。空中を歩いている時に、突然静止したかのように見えて、格好良く感じた。まるで、ムーン・ウォークのステップのように。
 そう、心が踊るかのように、足も空中でダンスのステップを踏んでいたのかも知れない。この時の彼女の姿を写しとった写真には、心の高揚が
脚の形を通して描き出されていることだろう。
 撮り終わると、彼女はオブジェから降りていった。再び足を地に付けて歩き出した。もう、ステップは踏んでいない。
 それでも、彼女の足取りは軽く、踊っているように感じられた。