高い所から見下ろして

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胡座をかいて座り下を見下ろす女性 いつもの公園に行き、いつものオブジェが見えるところに来た。
 そこで写真を撮る人たちを眺めていると、個性的なポーズで写真に映る人を見ることができる。そうした新しい発見を期待して、オブジェの方を眺めていた。
 オブジェの上で、胡坐を組んで、ちょこんと座っている女の子を見た。手は組んだ足の上に軽く乗せられていた。背筋が伸びていたから、修行僧かヨガの練習のように見えた。彼女は姿勢を止めたまま、下から向けられているカメラに向かって微笑んでいる。
 高い所から体をまっすぐに伸ばして座ってじっと下を見つめる姿が、世界のすべてを知り尽くしていて、優しい視線で下界を見渡しているようにさえ見えた。まるで、お釈迦様のように。
 下から彼女を見上げている自分が、孫悟空になったような気分になった。悟空は釈迦の手のひらから飛び出すことができなかったが、彼女を眺めている周りの人たちも、彼女の魅力から飛び出すことが出来なかったのかも知れない。
 彼女が再び動き出して、オブジェの上から降りて行こうとした。そこにいるのは、世界を見下ろしている高僧ではなく、一人の女の子であった。
 彼女は、オブジェの向こうにストンと降りて行き、見えなくなった。