ショールに包まれて

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ショールを着た女性 その日は雨が降り続く1日で、寒冷前線が運んできた寒気が暖かさをすっかり奪い取ってしまった。レインコート、ジャンパー、マフラー、セーターなどを着込んだ人たちが、街を覆い尽くした寒さと戦っていた。
 人通りの多い通路を、防寒具を着た人が歩いていく。その中で、肩から大きな布を被っている女の子に目が留まった。彼女はショールを着ていたのだ。
 肩から垂れ下がった布の線が綺麗に見えた。腕や体がどんな動きをしても、それを覆う布地が緩やかで長い曲線を作り出すから優雅に感じられるのだろう。
 コート、あるいはセーターのように袖の付いている服と違って、ショールのように体を包んで隠すものは神秘性の様なものも纏っている。それは多分、ショールやストール、マントといった大きな布地で作られたのものは輪郭だけが目に見えるからなのかも知れない。下に隠れた腕や体の動きが見えないから、想像で補完することで、何かが内に秘められているように感じられるのだ。それは心といった見えないものから、美といったかたちあるものまで、すべてを含んでいる。丁寧にショールで包まれた彼女も、きっと素敵な人だろう。
 友達と話しながら、彼女は目の前を通り過ぎて行った。肩からショールが垂れ下がり、ひらひら揺れる後ろ姿が綺麗だった。