世界はチャンスでいっぱい

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こぼれたボールを拾う女性選手 審判がホイッスルを吹いた。女子ラクロスの試合が、再開されたのだ。
 センターラインでボールを押さえていた2人の選手がそれぞれスティックを上へ向かって跳ね上げた。ボールは高く上がり、やがてスピードを失って止まった。多くの選手がボールが落ちてくる場所に集まり、ボールの行方を見守っている。ゆっくりと速度を増して、ボールは地表へと向かった。
 スティックを使えば届く高さまでボールが落ちてきた時、何人かの選手が跳び上がった。何本ものスティックが空へと伸びた。だが、ボールはどれにも入らず、フレームに弾き飛ばされ、離れた場所へ落ちて行った。
 これは近くで待っていた選手にとっては大きなチャンスとなった。彼女は急いで足を前に出して体を支え、やってきたボールの下にスティックのポケットを潜り込ませた。反対の足はできるだけ長く伸ばしてボールの動きをを追っている。
 チャンスはいつ、どこからやって来るかわからない。彼女のように、体を鍛え、道具を整えた者だけが目の前にボールが来た時に掴み取るできるのだ。
 それは現実世界も、同じことだろう。
 努力によって最高の準備をした者だけが、何かを掴むことができる。そしてチャンスというボールは一つだけだはなく、いくつも飛び交っているのだ。
 スティックがボールをすくい上げた。彼女はそのままミッドフィルダーが手薄になった相手エリアを駆け抜けていった。