夢を与える人

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バルーンアートを作る女性 大きな会社は、事業内容をPRするためにイベントを開くことがある。工場や車両基地を開放して人を呼び、仕事の中身を紹介するのだ。中には、お祭りのようにたくさんの出し物を用意して、来場したお客を楽しませてくれるものもある。
 そこにやって来る人たちも、子供から大人までの年齢層に広がっている。
 あるイベントの会場で、子供を連れた人たちが大勢並んでいた。その列の先頭では、一人の女性が風船を膨らませると手を動かし始めた。バルーンを割ることなく曲げたりねじったりして、その形を変えていく。彼女の足元では子供が羨望の眼差しでその姿を眺めていた。彼女も、下へと視線を送って微笑みかける。
 やがて彼女の手から、飾りが作り出され、受け取った女の子は嬉しそうに表情を緩ませた。
 いい大人とは何だろうか。
 それは、大金を稼ぐことでも、人よりも高い所に行くことではないのかもしれない。
 子供に、努力することによって自分の手からあらゆるものを創造することができるということを示すことなのかもしれない。それは夢となり、幼い子供が成長したころ、自分の夢に向かって力を磨くことだろう。そうやって子供はいつか大人になって世界を作るのだ。
 夢を与える人であることが、大人には求められているのだ。
 彼女はこの瞬間も、夢を与えている。