ゴールへ向かって

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マラソンを走る女性 秋が深まって寒さが強くなってきた日に、市民参加型の大きなマラソン大会が開かれた。
号砲が鳴ると数万人ものランナーがスタートからあふれ出し、ゴールを目指して走りだした。日ごろからトレーニングを積んで速いペースで走る者もいれば、完走を目指してゆっくりと走る者もいる。コースの脇ではたくさんの人が走っていくランナーたちに声援を送っている。右手の遥か遠くから途切れることなく人が現れ、左手遥か遠くまで流れは続き、ランナーたちが消えていった。
 目の前を駆け抜けていくランナー達の間から見えた女性ランナーに目が留まった。彼女は練習を積んでいるらしく、長い手足を綺麗なフォームで動かしてスムーズに体を前へと進めている。
 ランナーとしてフルマラソンを走ることにはどういった魅力があるのだろうか?
 42.195kmという長い距離を走ることなのか、それとも、少しでも早くゴールへとたどり着くことなのかはわからない。でも、自分の力だけでフルマラソンを走り切った時に、走ってきた道の長さによって特別な達成感が与えられるに違いないのだ。
 彼女は走りながら、片方の手のグローブを引いてきちんとつけ直した。そして再び両手を振って体を前に押し出すと、ゴールまでまだ長く続くコースの先へと走り去っていった。