少女の面影

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フォーマルな服を着た少女のような女性 繁華街を歩いていると、フォーマルな服を着た人たちが歩いてくるのが見えた。男の人はスーツ、女の人はドレスを着た上にコートを羽織っている。大きな街に行くと、こういった様相の人を見る機会が多い。結婚式に出席するのだろう。
 彼らの中の一人の女性に目が留まった。彼女の髪はきちんとセットされ、顔が隠れる様にマフラーを巻いて、手は袖の中に引っ込んでいた。その日はとても寒い日だったから、寒さに耐えるためにそうしていたのだ。
 彼女の姿の中に、少女のような雰囲気が漂っているように感じた。ドレスは白く、コートは薄いベージュだったせいもあるかもしれない。何よりも、体の熱が逃げないように顔が埋まる様にマフラーを巻き、冷たい空気に当たらないように手を袖の中に入れる仕草に、子供の頃にそうやって寒さをしのいだということを思い出させた。
 人は子供のままではいられないし、子供のままでいたいとも思っていない。大人になってから表情や仕草に現れる子供っぽさは、心のどこかに無邪気さのようなものが残っているように感じさせる。それが女性なら可愛らしさ、男性なら親しみやすさとなって伝わっていくに違いない。
 彼女は目の前を通り過ぎて行った。寒さをしのぐ仕草と軽い微笑が少女のように見えた。でも、化粧された顔は大人の表情だった