美味しいものは幸せにする

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立ったまま料理を食べる女の子 公園でグルメイベントが開かれた。敷地内に多くのブースが建てられ、その一つ一つが個性的な料理を作っている。やって来た客はその中から気に入った料理のブースの前に次々に並んでいる。
 グルメイベントはたくさんの客を呼べる催しだ。彼らすべてが座って食べられるように十分な椅子やテーブルが用意できないくらいに。だから、皆、料理を手にすると四方へと散って行きいろいろ工夫して食べていた。片手で持てる料理を歩きながら食べるひともいれば、公園の見晴らしのいい場所で地面に座って食べる人もいる。
 ブースから離れたところでどんぶりを持って、立ったまま食べている女性がいた。長いコートを着て、足を交差させたポーズがちょっと格好いい。座らずに食べているにもかかわらず、彼女は気にする様子もなく麺をすすりながら、一緒に食べているボーイフレンドと笑顔で話していた。
 おいしいものを食べるという事には、大きな力があると思うのだ。自分の好きな味、噛んだ時の食感、好きな香り。そういったものを口の中で感じ取った時に、栄養とは違う生きるために必要な何かが得られるに違いない。だから、グルメイベントには大勢の人がやってくる。皆が美味しいものを食べて得られたもの。それは生きていることの喜びなのかもしれない。
 彼女は食べ終わったようだ。ボーイフレンドと一緒に、容器を捨てるために去って行った。周りでは、まだ多くの人がいろいろな種類の料理を食べている。
 笑顔でない人は一人もいなかった。