おみくじを持つ自分を撮る

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おみくじを持って自撮りする着物の女性  正月には、大きな神社に行くと大勢の参拝客が列を作って拝殿に上がる順番を待っていた。その傍らからは、参拝を終えた人たちが社をあとにして行く。彼らの服装はジーンズ、ジャンパー、コートなど至って普通で、着物を着ている人は少ない。それでも、神社仏閣の多い京都では、着物の参拝客を多く見ることができる。
 拝殿から出てくる人たちの中に、晴れ着を着た二人の女性が見えた。鮮やかな色や花柄で染められた着物が華やかで、新年の明るい雰囲気に良く合っている。彼女たちは談笑しながら、おみくじ売り場へと敷き詰められた砂利の上を歩いていた。
 販売所の脇で、二人はおみくじ筒を手に取り、よく振ってから、逆さまにひっくり返した。一方の女の子が棒の番号を見ると、それが見えるように筒の向きを変え、友達はその姿を写真を撮っている。その光景がとても楽しげに見えた。
 その後、彼女たちはおみくじを買って、販売所から離れていった。受け取ったばかりのおみくじを読みながら。
 しばらくの間、視線をおみくじの上の落としたままだった。さっきまでのはしゃぎぶりは影を潜め、一言も言葉をかわさずに読んでいる。やはり、神社という場所で引いたおみくじは、ただの占いではないのだ。学業、恋愛、商売。気になっていることは何度も読み返しているだろう。その間も、ゆっくりと歩き続けている。しばらくして一通り読み終えたのだろう、笑いながら、自分の引いたおみくじに書かれていたことを話始めたようだ。ときにはお互いに自分のおみくじを見せ合ったりしながら。
 神社には、おみくじを結ぶために麻縄が張られた木の枠が用意されていた。古くからの慣わしに従って、そこに結んで行くつもりのようだった。
 一方の女の子は、カバンからスマホを取り出すと、自分の前に掲げ、もう片方の手でおみくじを顔の横に寄せた。陽の光が明るく彼女を照らす向きに立ち、レンズに向かって微笑んだ。彼女の表情に嬉しさのようなものが感じられた。大吉を引いたのだろうか。それとも、気になる項目にいいことが書いてあったのだろうか。きっと、彼女はおみくじから何かの希望のようなものを得ることができたに違いない。
 写真を取り終えると、彼女はおみくじを縦向きに長細く折りたたんだ。
 二人はおみくじを麻縄に結ぶと、笑顔で神社の参道へと歩いていった。
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